素敵な趣味!観葉植物を育てるうえで教えてくれた人生の気づきとは(コラム)
『僕と植物との出会いは、突然だった。』
元々、家のインテリアとして観葉植物には興味をもっていた。
ただなんとなく雑誌を読んだりして、気になっていた観葉植物。
ある日ふと実家にひとつだけ置いていた、幼少期に気に入っていた観葉植物のことを思い出した。
あれはなんていう植物なんだろう?
ふと考えていると、昨日立ち寄った際に見たダイソーに置いていた植物と頭にあった残像が一致した。
その植物は、パキラだ。
ぼくは座っていた椅子から立ち上がり、最寄りのダイソーに直行する。
迷わず小さいパキラを購入し、そこからぼくの、植物のある生活がはじまったのです。
観葉植物を育てることとの出会い
パキラ
パキラは丈夫で育てやすく、長年愛されている人気の植物ということは後々知ったことだった。
パキラは、屋内で育てる上でかなり好条件の植物らしい(耐陰性があったり、水も乾燥気味でも大丈夫)
植物に関して何も知らなかったぼくでも、育てることは容易だった。
なぜなら、パキラはどんどん生長していったから。
生長の仕方は、幹の先端から葉っぱや茎がどんどん伸びる。
ぼくの育てているパキラは、新芽からある程度生長するまでは優しい黄緑色をしていて、大きくなるにつれて緑色が深くなっていく。
見たことがあるかもしれないが、幹は捻れながら縦に伸びていくのもパキラの特徴のひとつ。
(品種にもよる)
ぼくのパキラの好きなところは、力強い太い幹と、人の手のような5つの葉からなる葉っぱの形、生長が早くわかりやすいところ。
人間の性格に例えると、単純で素直で褒めればわかりやすく成長する、どこか幼稚な男っぽくかわいい少年のように思えた。
観葉植物のど素人だったぼくにとって、植物の生長を感じるのは楽しい。というよりも、水を上げたり葉水したり、育てているような感覚があり嬉しかった。
はじめて小さい新芽を見つけたとき、喜んだことを覚えている。
これが植物に魅力や興味を持ち始め、ライフスタイルが植物ありきになっていったきっかけだったと思う。ここには人生と重なる部分もある。
新しい価値を見出したり、好きなことを見つけたり、考え方や人生が変わるきっかけに出会うためには、どんなに小さい一歩でも行動することが必要ということ。
ちなみに後々になって知ったことがある。
結局、実家にあった観葉植物はパキラではなくベンジャミンだった。
その時ぼくは思った。
何かをはじめるとき必ずしも、正しい情報をかき集めた上でスタートを切る必要はないということ。
ビカクシダ
そんなパキラと出会い、植物への魅力に気づきはじめたぼくはネットで調べたり本を買ったりして更に植物のことを知った。
そうしているうちに新しい植物が欲しくなり、今度は近所にある園芸店に行ってみた。
見たことのない植物や、ぼくが調べた情報から知っている植物などたくさんの緑が並んでいた。
なにより空気がきれいで、とても気持ちが良く長居してしまいそうになる。
いや、実際何を買うか悩んで長居していた気がする。
悩んでいると、女性の店員さんに何かお探しですかと声をかけられる。
ぼくが長く悩んでいる様子を見て声をかけたのか、その日は真冬の気温だったから、薄着のぼくが寒そうにしてるのを感じて、気を遣って声をかけたのかぼくにはわからない。
だって誰かの考えていることや心を全て見ることなんてできないから。
それはさておき、実際に見て決めようと思っていたぼくは室内で育てるおすすめを聞いてみると、空中に吊られている植物を紹介された。
服屋や商業施設のショップでも見たことがあって、店員さん曰くこの植物だけを集めるコレクターがいるほど人気だとか。
親切に育て方や水やりの頻度を教えてくれて、ぼく自身もすごく気にいったのでその植物を購入することにした。
その植物はビカクシダ(コウモリラン)というもの
徒歩圏内のため、そのままダイレクトに植物を手で持って家に向かった。
(周りの目が気になるぼくの性質上、かなり恥ずかしかった。)
家に帰るとさっそくどこに吊ろうか考える。
家の中を見渡し、窓際のカーテンレールにS字のフックを使って吊ってみる。
しっくりきたので場所は難なく決定した。今月は師走。
販売の仕事をしているぼくたちにとって、1年の中で最も忙しい月が12月で多忙な日々を送っていた。
読んで字のごとくあっという間にクリスマスが過ぎ、年も明けて3が日という鬼の忙しさも越えた1月の中旬あたりの休みの日のことだった。
先月に買った植物に全然目を向けられていなかったことに気付き、じっくり観察すると葉っぱが乾燥して固く小さくなり萎れている。
枯れていた。つまり、死んでいた。
もちろん、ショックだった。
パキラは無事だったが、よく見ると少し垂れ気味で元気がなかった。
すぐにたっぷり水をあげた。すると翌日には、ピンと葉っぱが張っていて元気な姿を見せてくれて安堵した。
今回の経験には、人間関係と重なる部分があった。
誰か(生物や人間)の考えていることや、心を全て見ることはできないのだ。
たしかに何気なしにちらっと見ているだけでは、知ることなんてできるはずがない。
よく観察していたら、今回のパキラのように何かサインを出していたのかもしれない。
男性と女性との関係性にも似ている気がする。
マメさが大事とかよく聞くけれどそれに近しいことで…
こまめなコミュニケーションがなく、例えば1ヶ月に1回だけ少し時間をとって話すなど。
実は知らないところで、相手の心は深刻な方向へ変化しているかもしれない。
これも、相手のことをよく観察して会話をして、相手を知ろうとしないともちろん気付けるはずがない。
必ず何かサインが見えるはずなのだ。つまり人間関係においても…
相手を知るには相手を見て、よく観察して変化に気づいたり、細かく会話することで、理解に繋がっていくということ。
(ちなみに、ぼくの恋愛対象は植物ではなく女性である。)
観葉植物のを育てるうえで気づいた植物の生き方
前述では、植物が行動する必要性と観察する重要性を教えてくれた。
あれから少しずつ育てる植物も増えていった。
よく観察をするということに重きを置き、無事枯らすことなく育てている。
そんななかで、あることに気づく。
植物から得た気づき
植物の生き方には人間においても学ぶべきことがある。
これがタイトルの、『植物がぼくにおしえてくれた人生の気づき』だ。
植物は生命の危機(水不足や根腐れ、日光不足など)が近づくと、まずは葉っぱ、次に枝を枯らして切り捨てていく。
心臓である根っこを守り抜き生きようとするのだ。
生きるために極限の状態までできることをして、水が与えられたら一気に枝・葉っぱに養分がいき渡り、またぴんと元気になる。
その繰り返し。
生きるためにできること、つまり最善を尽くしている。
これは、ぼくらの人生にもあてはまることではないだろうか?
生きていくために。
世界や政治、環境が変わってもどうにか適応しながら、自分ができることを見つけ最善を尽くす。
そして生き延びていく。その都度その都度、起きる変化に合わせていく。
植物もそうであるように、過去に枯れそうになろうと(死にそうになろうと)これからの未来枯れそうになろうと関係ないのだ。
もしもこの先、1ヶ月水を得れない状況が来るとしても今はわからない。
その状況がきたらまた適応して最善を尽くすのだ。
ぼくは、そんな植物の生命力やシンプルな生き様が美しいと感じた。
過去あったことに執着したり、これからの未来に不安がるよりも、今この瞬間を大事に生きる。
その繰り返しで、すぐに今は過去になり今が未来に繋がっていく。
植物と同様、人間も今この瞬間を大事に生きるということは美しいことなのだ。
最後に、自分自身にもこれを読むあなたにも問いたい。
明日も、必ず水を得れるという確証はありますか?
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